こんばんは
園芸療法士のKiyoです
7月も半ばに近づき
梅雨明け後の暑い日が
続いています
本日は
定期的に訪問している
デイケア施設での
園芸療法の時間でした
今回のプログラムは
前回に引き続き
「ジャガイモ掘り」です
前回とは違う曜日なので
参加してくださる利用者さんも
全く違うメンバーでした
デイケアは曜日によって
利用される方の顔ぶれが変わるため
同じプログラムを行うにしても
目の前のメンバーの体力や
気候に合わせて調整を行います
特にこの時期の屋外活動は
熱中症のリスクが高いため
安全管理が最も大切になります
今日は
真夏のデイケアという中で
安全を守りながら
どのように園芸療法を組み立てたのか
今日の様子をご紹介します

ぜひ参考にされてください
真夏の屋外活動における「5分間ルール」の環境設定
園芸療法において
植物に直接触れることは
大切ですが、それ以上に
「利用者さんの安全」が
最優先です
もう朝から30℃越えの
危険な暑さだったため
事前にスタッフの方とも相談し
「外に出る時間は最大でも5分間
収穫は一株分だけ」
と決めてフロアを出発しました
「せっかく外に出るのだから
もっとたくさん収穫してもらいたい」
と考えてしまいがちですが
お年寄りは暑さを自覚しにくく
短時間でも体力を
消耗してしまいます
その日の気候に合わせて
「これなら無理なく安全に
プログラムを終えられる」
という約束事を
最初に設計しておくことが
夏場の園芸療法では
欠かせません
今回は「5分」という
短い時間の中に
園芸療法の効果効用を
入れ込み組み立てをしました
移動の道中にある、五感を刺激する時間
お二人の利用者さんと
帽子をかぶり
万全の準備をして
ジャガイモ畑へと向かいました
実は、フロアから畑まで
歩くだけの道中にも
お庭にはたくさんの発見があります
畑に行く途中に
今ちょうど実がついている
キュウリの棚があります
そこを通りかかったとき
お二人が自然と足を止め
キュウリの様子を
じっくりと眺め始めました
「このイボイボだけ
ちょっと触ってみて」
「奥にあるのが唐辛子
(トウガラシ)でーす」
「あぁ、そうねぇ」
「その奥が、今から掘る
ジャガイモでーす」
そんな会話を交わしながら
キュウリの小さな黄色い花や
まだ若い小さな実を
興味深そうに観察されていました
ただ目的地に向かって
移動するだけでなく
道中にある植物を見て
触れて、言葉を交わす
このプロセス自体が
視覚や触覚を優しく刺激する
園芸活動になります
お互いに「可愛いねぇ」と
言い合いながら
歩くお二人の後ろ姿は
とても微笑ましく
穏やかな時間が流れていました
「あっちぃね」と言いながら、土の中から宝探し
ジャガイモ畑に到着すると
すぐに事前の計画通り
一株分の収穫作業に入りました
杖をつきながらでも
しっかりと腰を落として
ジャガイモの茎を掴みます
杖をマジックハンドのように
使う姿に大爆笑でした(笑)
ゆっくりと力を込めて引き抜くと
「あれ、全然ないじゃん」と
私が思わず言ってしまいました
土を少し手で掘り起こしてみると
中からゴロゴロと
丸いジャガイモが顔を出しました
「あ、あった!」
「ほら、ここにおるよ」
「これは大きいねぇ」
土の中からジャガイモを
見つける瞬間は
まるで宝探しのようです
先ほどまでは
「あっちぃね」
「暑いからそろそろ帰ろうか」
とおしゃべりしていた
お二人ですが
ジャガイモが見つかり始めると
夢中で次々と収穫されていました
5分という時間の中で
予定していた一株分の収穫を
無事終えることができました
デイケアで園芸療法を行う「3つの効果」
今回のような
「5分間の収穫」という
流れの中には
デイケアで
園芸療法を行う意味が
いくつも含まれています
実際の現場をベースに
身体的・精神的・社会的効果の
3つをお伝えしたいと思います
① 身体的効果
単に「手足を動かしましょう」
と言われると
作業的な運動になりがちですが
園芸の現場では
「歩く」「しゃがむ」「土を掘る」
といった動作を自然に
行ってしまいます
土を指先で探ったり
茎をしっかり掴んで
引っ張ったりする動作は
手指や腕の筋力を
バランスよく使います。
② 精神的効果
お年寄りの方々の多くは
若い頃に畑仕事や家庭菜園を
経験されています
土の匂いや
ジャガイモを触る感触は
そうした過去の
生き生きとした記憶を
呼び起こすきっかけになります
「暑いけれど
これだけは自分で掘りたい」
という自発的な意欲が
引き出されること自体が
精神面への良い刺激となります
③ 社会的効果
デイケアには様々な
背景を持つ方が集まりますが
お庭の植物や収穫物という
共通の話題があることで
利用者様同士の会話が
自然と弾みます
「昔はこうやって植えとった」
「これくらいの大きさがいいね」
といった、経験に基づいた
対等なコミュニケーションが
生まれます。
最後に
今回の活動は、時間にして
わずか5分間という短いものでした
しかし、その短い時間の中にも
お二人でキュウリを眺めて
おしゃべりをしたり
土の中からジャガイモを見つけて
笑顔になったりと
たくさんの豊かな瞬間が
詰まっていました
真夏の施設園芸では
無理をして長く外にいる必要は
ありません
気候に合わせた適切な環境を
整えることで
短い時間でもしっかりと
心と体を動かすプログラムに
することができます
今日のお二人との時間は
私にとっても
現場での工夫の大切さを
改めて実感する
良い機会となりました


コメント