生徒さんは私のここを盗め!【園芸療法コーディネーター】

こんばんは
園芸療法士Kiyoです


今日はちょっと強気な
タイトルにしてみました( ◠‿◠ )


でも、これは普段から
アカデミーの生徒さんたちに
本当に伝えたいと
思っていることなんです


一昨日の
ナーシングホーム沙羅でのお仕事


看護学生さんへの
レクチャーのほかに


もう一つ
とても大切なプログラムを
行っていました


それは、施設内の
ガーデンが見える窓際に


小さな机と椅子を
置いて作った
「特別な空間」での
園芸療法です


何が特別かというと
普段デイルームで
見せる姿とはまったく違う


利用者さんの生き生きとした
表情や言葉が見られる
場所だからです


この日
窓際のテーブルでやって
いただいたのは


畑で収穫したお花の
「種採り」と
折り紙で作った小袋への
「種詰め」の作業でした


マリーゴールドや
スカビオサ
チャイブなどの枯れたお花から


指先を使って丁寧に
種をほぐし出していく


そして、その横には


「デイケアの畑で作った種です!
ご自由にお持ち帰りください」


と書いた手作りの看板と
箱を置いておきました


普段
広いデイルームに
座っているとき


利用者さんの中には
テレビをぼーっと
眺めて過ごす時間が
長かったり


自分からはあまり
声を出されなかったり
する方もいらっしゃいます


でも
この窓際の席に座って
植物を手に取った瞬間
表情がガラッと変わるんです


指先を器用に動かしながら


「昔はね、花壇も畑も
いっぱいやりよったんよ」


「テレビばかり見とったら
えらい(しんどい)もんねぇ」


なんて
ご自分からぽつりぽつりと
昔の話や本音を話し始めて
くださるんですよね


やっぱり
昔ずっとやってきたことって
頭で考えるより先に
手がちゃんと覚えて
いるんです


そして、この窓際の場所を
選んだのにも理由があります


この場所は
利用者さん、入居者さん
スタッフさんがたくさん
通りかかる場所なんです


作業をしていると
通りかかった
別の利用者さんが
「何しょるん?」
立ち止まります



そこですかさず


「これは、畑で採れた
花の種なんですよ。
持って帰って植えて
みてください!」



「ピンクの可愛い花が
咲きますよ!」



とお声がけすると


「へぇ!
持って帰ってええの?
来年咲くかねぇ
楽しみじゃね」



と、利用者さん同士の
自然なおしゃべりが始まります


スタッフさんも
通りがかりに
冗談を言いに来てくれて
みんなで大笑い( ◠‿◠ )


さらに
窓の外のガーデンを見ながら


「あずきもいっぱい
実がつきよるねぇ」


「あずきが採れたら
みんなでぜんざい作って
食べようね」


「手伝ってくださったので
一番に食べていただきますね!」


なんて
未来の楽しみの話で
大盛り上がりでした


さて、ここからが
生徒のみなさんに
「盗んでほしい」
本題です


この一連の出来事は
「たまたま窓際で
種採りをしたら盛り上がった」
わけではありません



すべて、事前の
【準備】と【アイディア出し】
そして【話術・関わり方】の
計算があって成り立っています

1. 空間の準備(なぜ、あえて窓際なのか?)

大部屋の真ん中の
テーブルで作業をすると


どうしても
「レクリエーションを
させられている感」

出てしまいます


でも、外の光が入り
自分が手入れをしている
ガーデンが


目の前に見える窓際に
小さなテーブルを置くことで
「プライベートな
庭仕事の場所」

に変わります


さらに、人が通る動線に
あえて置くことで


通りかかった人との
コミュニケーションが
生まれるように仕掛けています

2. アイディア出し(なぜ、種採りなのか?)

種採りは
指先を細かく使うので
無理のない素晴らしい
リハビリになります


でも
それ以上に大切なのは
「誰かの役に立つ役割」
作ることです


ただ種を採って終わりではなく
「ご自由にお持ち帰りください」
という看板を立てることで


「自分が採った種を
誰かが喜んで持って
帰ってくれる」


という
社会と繋がる役割が生まれます


これが
利用者さんの自尊心と
やる気を引き出します

3. 話術と引き出し方(どうやって言葉を導くか?)

「昔、お花を育てて
いましたか?」
と正面から質問攻めに
するのではなく


一緒に手を動かしながら
目線は手元や
外の景色に向けたまま
何気ない相づちを打つ


外のあずきを指差して
「あれ、どうやって食べるのが
美味しいですかね?」



相手を「先生(先輩)」にして
教えを請う


そうすることで
「テレビばかり見とったらえらい」
という本音や


「ぜんざいにして食べたい」
という前向きな意欲が


利用者さんの口から
自然とこぼれ出てくるのです


園芸療法コーディネーターを
目指す生徒さんたちには


テキストに載っている
「マリーゴールドの効用」や
「園芸作業の手順」だけを
覚える人にはなって
ほしくありません


大切なのは


「どうしてその場所を選んだのか?」


「どうしてその作業を用意したのか?」


「どんな声かけをすれば
その人本来の生き生きとした
姿が出てくるのか?」



という
現場の裏側にある
戦略と思考のプロセス

です


私が現場で
作っている空気感や
利用者さんの心を
開くきっかけづくり


そういう目に見えない部分こそ
遠慮せずにどんどん観察して
自分のものとして
盗んでいってください


知識がある、想いもある


そこに、人の心を動かす
「現場の仕掛けと戦略」が
加わって初めてプロの
園芸療法コーディネーター
になります


利用者さんの笑顔や
「楽しかった」の
言葉の裏側には
必ず理由があります


これからも
現場のリアルな工夫を
惜しみなく伝えていきますね( ◠‿◠ )

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